Spiritual Lesson

スピリチュアリズムの学び

肉体の死を迎えた時、何が起きるか ー 死者との交霊の記録より実例編




こんにちは。


前回まで アラン・カルデックさんの名著からお借りして、

  • 肉体が死を迎える際に起きること
  • 安らかな死と霊界への移行をするため、今から心がけておくべきこと

について、4回に分けてお送りしてきました。



今回は番外編として、他界してすぐ、ということは人間時代の記憶がまだ鮮明な(※)霊に、カルデックさんたちが交霊(チャネリング)を試みた時の様子をまとめた部分をお届けしたいと思います。

※ 肉体から分離して霊体に戻りますと、魂の成長に有効な体験記憶以外の、氏名や住所、誕生日など、人間時代の個人情報のような記憶はあっという間に消えていってしまうようです。

(お勧めの参考文献)
迷える霊との対話―スピリチュアル・カウンセリングによる精神病治療の30年



今回も、こちらのご本からお借りしています。
(残念ながら絶版になった模様です)

天国と地獄―アラン・カルデックの「霊との対話」

(※ この本の出版元は著名な宗教団体の系列会社です。価値ある素晴らしい内容なのにこの点は残念でなりません)



前回までの投稿です。

(第一回)臨終の際、身体に起きること

(第二回)意識が無くなる間に起きていること

(第三回)死後に激しい苦痛が襲うケース(自死の場合他) 

(第四回)安らかな死を迎えるため今からすべきこと



****


(一年に及ぶ闘病後に他界した、パリ霊実在主義境界のメンバーだった男性の生前からの希望もあり、死後三日目にカルデック氏らが招霊を行います。そして男性の霊はそれに応じて出現しました)



(カルデック氏らからの質問)
あなたは亡くなる前に随分苦しんでおられましたので、現在お元気なのかどうかをお尋ねします。
今でも苦しみは感じておられるのですか?
現在の状況と二日前のそれを比べると、どんな違いがありますか?

現在は大変幸せです。もう苦しみは全く感じられません。
私は(※ 霊体に)再生し、回復しました。

地上生活から霊界の生活への移行は、当初は何がなんだかよく分かりませんでした。
しかしその前に私は神に祈り、「愛する人々と話ができますように」とお願いしてあり、神はそれを聞き届けてくださいました。



意識がはっきりするのにどれくらい時間がかかったのですか?

8時間ほどです。



最後の瞬間まで、意識ははっきりしていましたか?

はい。霊の私はしっかりと保持していました。
肉眼で見ることはできませんでしたが、感じることはできました。

その後、私の一生が目の前に展開されました。
私の最後の願いは、死後あなたがたと話すことでしたが、それが今こうして実現しています。



あなたの肉体が最期に息を引き取った時、そのことを意識できていましたか?
その時あなたの内部で何が起こったのですか? どんな感じがしましたか?

地上(※ 人間だった当時)の "生命" が粉々になり、視覚が失われました。
空虚、未知…。
それから突然ものすごい力に運ばれて、歓喜と偉大さに満ち満ちた世界にいることに気がついたのです。
もはや(※ 身体感覚で)感じることも、理解することもできませんでした。
ただ筆舌に尽くしがたい幸福に満たされていたのです。
もはや苦しみは一切感じられませんでした。


(この男性からのメッセージ)
わが友人たちよ。死を恐れる必要はありません。
もし良き生きかたをしているのであれば、死とは休憩にほかなりません。
もしやるべきことをやり、試練に打ち勝っているとすれば、死とは幸福にほかなりません。
繰り返し言いましょう。
勇気を持って、そして熱意を持って、生きてください。
地上の財物に執着しないことです。
そうすれば必ず報われます。
他者のために生きてください。
心の中で悪を犯さないように。
そうすれば地球は軽やかな場所になります。



あなたは息を引き取った瞬間、「地上の生命が粉々になり、視覚が失われた」とおっしゃいました。
その時、何か、苦しみや辛さを感じましたか?

おそらくそうした苦しみはあったのでしょうが、あまり覚えていません。
というのも、生とは絶え間ない苦しみの連続であり、死とはそうした苦しみに対する褒美なのですから。
死の瞬間には肉体を脱ぎ捨てるため、途方もない努力をしなければならず、そのためにあらゆる力が注がれますので、その間自分がどうなっているか?ということは、考えているひまもないのです。


(カルデック)
このケースは決して普遍的なもの(※ 絶対で確実)ではない。
私の経験によれば、多くの霊は、息を引き取る前にすでに意識を失っているし、またそれ以外の、ある程度脱・物質化が進んでいる霊は、努力なしに肉体からの離脱を果たすこともあるからである。



頑固な唯物論者で、「死後は虚無だ」と信じている人もいるようですが。

そうですね。
最後の瞬間まで「死後は虚無だ」と信じている人もいます。

しかし、霊と肉体が分離する瞬間、霊の自覚が戻ってきます。
そして事態が理解できないために苦しむのです。
どうなったかを把握しようとするのですが、それができません。

(※ 肉体と霊体との)分離の時には必ずそうしたことが起こります。



(カルデック)
「信仰を持たない者が死の瞬間にどうなるか?」ということに関して、別のある霊は次のように語ってくれた。


頑迷な無神論者が死ぬ瞬間にどうなるか?ということですが、悪夢の中で崖っぷちに立ち、もう少しで落ちそうになっていることがありますね?
あれにそっくりなのです。


逃げようとしても逃げられず、歩くことさえできない。
何かにつかまろうとするのだが、何も見つからず、だんだん滑り落ちてゆく。
誰かを呼ぼうとしても、声を出すことができない。
身をよじって、拳を固く握りしめ、声にならない叫び声をあげる。


ちょうどそんな感じです。
それが普通の悪夢なら、やがて目が覚め、恐怖から解放されます。
夢を見ていただけ夢を見ていただけだということがわかり、再び幸せを感じることができるのです。


ところが死ぬ瞬間の悪夢はというと、もっともっと長引き、時には数年間も続くことがあるのです。
そういう場合、霊にとっては本当に辛い体験となります。
暗闇に閉じ込められたのと同じなのですから。




(※ ここからふたたび、先ほどの男性霊との会話にもどります)

あなたの霊的な目が開けた時、何に打たれたのですか?
何が見えたのですか?
もし可能なら、その時見えたものを描写してください。

われに返って自分の前にあるものを見たとき、目がくらんだように感じられました。
すぐには意識が覚醒しなかったらしく、事態がよく飲み込めなかったのです。
しかし、神の善意のおかげで、私は様々な能力を取り戻しました。
多くの友人、多くの忠実な友人たちが周りにいるのが見えました。
また地上での交霊会で私たちを助けてくれた指導霊たちが来て、私を取り囲み、微笑みかけてくれました。
比類のない幸福感に包まれながら、彼らは生き生きとしており、私自身も強いエネルギーに満たされて元気はつらつとしており、空間を超えて自由に移動できるのです。


私が見たものを人間の言葉で描写することは不可能です。

今後さらに招霊に応じ、神の許可がおりる範囲で、私の幸福について語ってみたいと思っています。
地上であなたがたが幸福だと思っていることなど、まるで錯覚に過ぎません。


どうか、智慧に従って、聖なる生き方をしてください。
慈悲に満ちた、愛に溢れた生き方をしてください。
そうすればどのような大詩人であっても描写できないような、素晴らしい霊界生活が待っています。


私の体はいかなる場所も占めず、物質界の光は私の体を透過していきます。
あなたがたにとっては奇跡にほかならないことが、我々霊人たちにとっては日常茶飯事なのです。

霊人たちの視覚は、人間の視覚とは異なります。
同様に体も地上の人間の体とはまったく異なります。
存在自体が根本から変わってしまうのです。


繰り返しますが、霊には神聖な洞察力が備わっており、全てにそれが及びます。

ですからあなたがたが考えていることが、私たちには手に取るようにわかるのですよ。

またあなたがたが私たちを最も思い出しやすいような形態をとることも可能なのです。
しかし試練を全て通り抜けた高級霊は、神のそばにいるのにふさわしい姿をしています。


私には全員の思いが読めます。
あなたがたの思いは、あなたがたの周りに出没している霊人たちによって絶えず読まれているのだということを、どうぞ忘れないでください。

神の使者に対しては、あなたがたは何も隠すことができないのです。